外国人の雇用と賃貸住宅のこれからについて考えてみた。

先日地元の和歌山に帰省した際、飲食店などを5店舗経営されてる社長のお話を聞く機会があった。
その社長が話されていたのが、「うちも積極的に外国人の雇用を行っていく」ということだった。
その社長、数日後に自らベトナムへ行き、現地の子を実際に採用してくるとのこと。
東京などの都市圏では飲食店などでは外国人労働者を見かけることは日常茶飯事ではあったものの、こんな和歌山の田舎でもそういった動きがあるのかと正直驚いた。

今後は少子化の進行で、日本の労働力人口はますます減っていくことは間違いないことでしょう。
現在の日本での人手不足は500万人にのぼるとも言われていて、不足分は女性、高齢者、若者の就労促進などで対応しているのが現状です。そして今後は外国人の労働力にも頼らざるをえない状況になることを踏まえ、今まで閉鎖的であった日本も積極的に外国人を受け入れるグローバル体制を進めていることに繋がっているのでしょう。
それに優秀な人材、留学生に来てもらうことは日本経済にとってプラスにもなるはずですからね。

現在、日本人人口が減少する中で、外国人人口が増加しています。2015年10月から2016年10月までの一年間に日本人の人口は▲30万人減少しましたが、外国人は+14万人の増加でした。日本人の人口減少の半分を外国人の増加が補っているのです。

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特に東京などの都市圏ではそれが顕著に表れてきています。外国人の2割が居住する東京都では2016年に増加した人口(+11万5千人の増加)のうち外国人が33%を占めています。世帯数は2016年に全体で+10万世帯増加しましたが、外国人のみ及び複数国籍世帯は+2万9千世帯の増加で世帯増加数の約3割を占めました。全国で最も外国人人口の多い市区町村である新宿区では、世帯増加数の60%を外国人のみ及び複数国籍世帯が占め、豊島区ではこの比率が64%に達しているのです。

ではこのように外国人が日本で暮らすに際し、一番の問題はなんでしょうか。
もちろん言葉や習慣の違いはあって当然なのですが、どの外国人の方も苦労するのが住居探しなんです。
保証人が見つからなかったり、保証人が見つかっても外国人という理由で入居を断られたり。
家主さんとしても、家賃を払わずに帰国されてしまう不安や住居の扱い方への不安、外国人を入居させていることによる周りの住人への影響など考えると無理もありません。
それに日本人の外国人に対する偏見もまだまだ存在するのは事実です。

しかし、日本人の人口減少と少子化の進展は人手不足をさらに深刻化させ、グローバル化による外国人人口や雇用の増加は免れることができないことは周知の通りであります。
住宅需要(特に賃貸住宅)に占める外国人の比率をますます高める実情に住宅業界はどう対応していくべきなのか。

私はこれもビジネスチャンスだと考えているのです。
需要に対し安定した供給が追いついていないビジネスにこそチャンスはあるのですから。

では、外国人の日本での住まいの現状とはどうであるか。
国勢調査によると、外国人のいる世帯の66%が賃貸住宅に居住しており、日本人を含む全体の賃貸住宅居住比率が37%であることと比べ、賃貸住宅への居住比率が高くなっています。
また、外国人の賃貸住宅というと、都心の広い高級賃貸マンションを思い浮かべる方がいるかもしれませんが、外国人は日本人を含めた全体と比べて狭い部屋に居住している比率がわずかながら高いのです。
それに日本人が賃貸に求める「日当たり」に関してもこだわる外国人は少なく、バス・トイレが一緒のユニットでも気にならない、多少狭くても安い方が良いと考えることが多いようです。
ただ日本特有の通勤ラッシュ、満員電車を嫌う傾向はあるようですね。例えば職場が豊島区の池袋であるなら、30分掛けてでも自転車で通勤したいと考える外国人の方もいるようです。ですので、できるだけ職場や学校から近い物件にはこだわるようです。

余剰住宅や空家率が高まる日本の住宅産業において、このような特色を踏まえた賃貸物件の提供は、これから取り組むべきビジネスモデルであり、需要が見込めると思うのです。

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それと同時に2020年には東京オリンピックが控えています。
現在、オリンピックで訪れた観光客の宿泊施設が明らかに不足していることが最近では多く取り上げられています。

そこで私が考えるのは、2020年に向けては外国人の宿泊施設としての住居、その後は外国人労働者の住居として提供する賃貸マンション経営に着目しています。
一時のオリンピックの宿泊者の為の住居とだけ考えたなら、正に問題となっている「レガシー」として残ってしまうでしょう。
そういったリスクをなくす意味もあり、増える外国人労働者への住居の提供を前提としたこのような考え方は、これからのビジネスモデル「賃貸住宅のカタチ」になり得るのではないでしょうか。

もちろん入居差別等の問題をなくすには、日ごろから地域全体で文化や習慣の違いなどに対する理解を促進していくことが必要であったり、不法就労やその他多くの問題はあると思います。
しかし、不動産事業者や住宅オーナーにとっては、外国語対応をはじめとする外国人向けのサービスの充実を図り、増加する外国人需要を取り込むことが、これからの住宅事業での生き残りと事業拡大に貢献することになると私は思うのです。

 

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