知っとかなあかん関西人/北川一成

北川一成/アートディレクター

関連画像GRAPH Co. Ltd. | グラフ株式会社
GRAPH取締役社長/ヘッドデザイナー。1965年、兵庫県加西市生まれ。
筑波大学卒業。世界最高峰のデザイン組織、AGI(国際グラフィック連盟)の会員に選出。2004年、フランス国立図書館に“近年の印刷とデザインの優れた本”として多数の作品が永久保存される。2008年、現代アーティストとして「FRIEZE ART FAIR」に出品。2016年、ブランディングを担当した「変なホテル」が「はじめてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネス世界記録に認定される。“捨てられない印刷物”を目指す技術の追求と、経営者とデザイナー双方の視点に立った“経営資源としてのデザインの在り方”の提案により、幅広いクリエイティブを手掛ける。出演にテレビ東京『カンブリア宮殿』、NHK『ビジネス新伝説 ルソンの壷』他。著作に『変わる価値』(ボーンデジタル)、関連書籍に『ブランドは根性』(日経BP社)がある。


変なホテル

「変なホテル」の画像検索結果北川一成がネーミングとブランディングを手がけ、2015年に長崎・ハウステンボスで開業した『変なホテル』。文字通りこれはただのホテルではない。ロボットスタッフによる効率化されたサポートに加え、最新技術が導入されたスマートホテルなのだ。
ロボットが受付し、ロボットが荷物を運び、顔認証でキー解除し、ロボットが灯りを調節。ロビーではロボットが案内をし、ロボットが荷物をロッカーに入れる。一見すると無機質で奇怪なものに見えるが、実に合理化した技術が取り入れられている。
そもそもは、究極の生産性を実現するために、ロボット技術による自動化を導入。さらに、全館エアコンなしで輻射パネルを取り入れた空調設備により快適な滞在を提供する。料金はオープンプライスでオークション方式を採用(ボトム料金でシングル1泊9千円〜)。繁忙期や閑散期で価格が変わる仕組みだ。先進技術と先端建築が融合し、ハウステンボスのエンタメ性を取り入れた、これまでにないコンセプトになっている。

「変なホテル」の画像検索結果




【エントランスをチェック!】

スマート制御の自動化の中にロボットのあたたかみを実感
ホテル内に入るとまず、クロークロボットによる荷物を預けるロッカーがあり、受付にはロボット型、人型、恐竜型の3台のロボットがお出迎え。ハウステンボスという場所柄エンタメ性があり、そこに最新技術が集結。入り口&ロビーから利用者を楽しませてくれる。チェックイン後も、荷物を運ぶロボットや、ホテルを案内するロボットなど、多数のロボットが“仕事”をしている。

「変なホテル」の画像検索結果 「変なホテル 荷物を運ぶ」の画像検索結果 「変なホテル 荷物を運ぶ」の画像検索結果

「変なホテル 客室」の画像検索結果


【客室をチェック!】

シンプルで機能的キーレスで居心地の良い室内
部屋の中は、泊まるための必要最低限の設備&アメニティではあるが、快適な空調設備で落ち着く雰囲気となっていた。部屋の操作はタブレットかコンシェルジュロボットとの会話で行ないベッドの上で灯りのON/OFFやホテル案内が見れる。

 


北川氏の頭ん中

プロジェクトの全体をまとめてほしい――。長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」につくるホテルのブランディングを依頼されたとき、すでに内容は大詰め。当初は「世界一効率のいいホテル」を旗印に掲げ、「スマートホテル」という仮の名称でプロジェクトが進行していました。でも、「スマート」という言葉は、数年経つと風化するかもしれない。そこで提案したのが、「変なホテル」というネーミングでした。

「北川一成が手掛けた作品」の画像検索結果このホテルの特徴は、今までにない「エネルギーの削減」を実現できること、そして人間の仕事を「ロボット」がまかなっていることです。活躍するのはフロントの左から並ぶ「小型ロボット」「女性型ロボット」「恐竜型ロボット」、そして荷物の出し入れをしてくれる「クロークロボット」、部屋まで案内してくれる「ポーターロボット」の計5体。それぞれの誘導に従えば、人間のスタッフを間に入れず宿泊できます。

これだけでも「ロボットのいるホテル」として、興味は持ってもらえるかもしれません。でも、それだけではいつか飽きられる。ロボットの存在とは関係ないところでも、何か話題が生まれるきっかけが欲しかった。そこで名称が「変なホテル」であれば、「どこが変なのか」と引っかかりを持ってもらえるだろうと考えました。

日本から世界へ展開していくこともイメージしました。「変わり続けることを約束する」というコンセプトは、「A commitment for evolution」と英語に訳していますが、「変なホテル」は「Henn na Hotel」とそのままの表記にしています。「Sushi(寿司)」とかと同じように、日本発の言葉として世界に広めていきたいという想いからです。さらに、「へん」という発音は一般的に「Hen」と表記しますが、ローマ字表記する際にはアルファベットの「n」を2つ当てました。これはキーボードで「ん」を打つときに、日本人は「n」を2回重ねて入力することを表現しています。

「変なホテル」というネーミングは、プロジェクトに関わった中のスタッフにも向けています。もともと、ハウステンボスを運営するHISの澤田秀雄会長以外はみんな、このネーミングに反対していた。ただでさえロボットが全部をまかなうという前例のないホテルなのに、名前まで奇抜にする必要はない、と。要は、世界初のプロジェクトなのに、スタッフがビビッていたんです。だからこの名前にして、やるしかないという方向へスタッフの意識を向けたかった。

ロボットがやっているからと世間で注目してもらえるのは、所詮、オープンから1年程度でしょう。現状のままで、世界に発信していけるとは思えない。たとえば、何時にチェックアウトしたらいいかとロボットに聞いたときに、「うぜぇよ」と返事されるとか、予想を裏切られたほうが印象に残る。注目を浴び続けるためには、変わり続けていくことが必要なんです。

「変なホテル 客室」の画像検索結果




北川氏が手がけるその他のブランディング

『酒蔵 富久娘』CI、ブランディング

「北川一成が手掛けた作品」の画像検索結果


2017年日本遺産に認定された『銀の馬車道』 ロゴマークデザイン

「北川一成 銀の馬車道」の画像検索結果  「北川一成 銀の馬車道」の画像検索結果


      『京乃晴れ姿』ブランディング

 

「京乃晴れ姿」の画像検索結果 「京乃晴れ姿」の画像検索結果 「京乃晴れ姿」の画像検索結果


小牧蒸留所 芋焼酎『紅小牧』『一尚』ブランディング

「一尚 小牧蒸留所」の画像検索結果 「一尚 小牧蒸留所」の画像検索結果


コミュニケーションをデザインする北川一成

人の興味をそそり、好奇心をくすぐるクリエイティブを生み出すために、北川氏は日頃から普通の人の感覚や感情に注目しているそうだ。
「デザインはコミュニケーションのひとつです。コミュニケーションを突き詰めると『人間とは何か』という質問にたどり着きます。そもそも人は合理的・論理的に物事を判断していると思いがちですが、実はそうでもない。たとえば、Tシャツの生地や製法などスペックが同じでも、色や絵柄で好みは分かれますよね。意識では同じだとわかっていても、無意識で瞬時に好みを判断しているんです。無意識の領域はまだわからないことも多いのですが、人の性質も踏まえながらコミュニケーションを設計しています。」
独創的なアイデアが採用されるのは、投資以上のリターンを想起させるプレゼンテーションを行っているからだ。経営者からの信頼も厚い。コミュニケーションの本質から探る直感的なデザインは、唯一無二。誰も真似できない。(地域ブランドクリエイターズファイルvol.2 より抜粋)

「hatsutoki」の画像検索結果

世界のデザインを手掛けている北川氏だが、地元兵庫のブランディングにも力を注いでいる。富久娘などの酒造メーカーや銀の馬車道、そして今年は兵庫県西脇市にある播州織の商社「島田精織」のアートディレクションをGRAPHが担当した。「播州織」は兵庫県北播磨地区で200年以上の歴史をもつ、綿を中心とした薄出の織物。そんな産地全体がチームとなり、「播州織」を盛り上げる活動もしている。

関西には北川氏のように地元を活性化するために積極的に取り組んでいる人たちがまだまだいます。そんな私たちが誇れる関西のビジネスパーソンをこれからもどんどん紹介していきたいと思う。

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